検定に合格する確率を数学で考える~その2~

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 今回は、各種目の合格確率と、検定の合格確率の関係についてお話しします。最初に、問題を出します。

※今回は、約分、分数(もしくは小数)の掛け算の知識が必要です。
約分、小数の掛け算は小学校5年生、分数の掛け算は小学校6年生で習うとのことなので、「まだ習っていないよー」という方はお父さんやお母さんに聞いてみてください。

けん玉検定2級に合格するためには、ふりけん、日本一周、世界一周の合計3つの技に合格する必要があります。
各技について、「8割=10分の8=80%の確率で合格する」人がいたとしましょう。その人が、けん玉検定2級に合格する確率はどのくらいでしょうか?

↑の人は、

・ふりけん(10回中3回の成功が必要)を、10回中8回クリアできる。
 = 10回中8回は、10回以内に規定回数(3回)をクリアできる。

・日本一周(10回中2回の成功が必要)を、10回中8回クリアできる。
 = 10回中8回は、10回以内に規定回数(2回)をクリアできる。

・世界一周(10回中1回の成功が必要)を、10回中8回クリアできる。
 = 10回中8回は、10回以内に規定回数(1回)をクリアできる。

ということです。この人がけん玉検定2級に合格できる確率を求めると、

$$\frac{8}{10}\times\frac{8}{10}\times\frac{8}{10}=\frac{512}{1000}=51.2\%$$

となります。

大体2回に1回くらいですね。それぞれの確率を掛け算すると、その級・段に合格する確率を求められます。

例えば以下の人はどうでしょうか。

ふりけん…9割(10回に9回は、規定回数(10回中3回)をクリアできる)
日本一周…9割(10回に9回は、規定回数(10回中2回)をクリアできる)
世界一周…5割(10回に5回は、規定回数(10回中1回)をクリアできる)

この場合も同様に掛け算をすると、 $$\frac{9}{10}\times\frac{9}{10}\times\frac{5}{10}=\frac{40.5}{1000}=40.5\%$$ となります。

大体5回に2回くらいですね。ふりけんと日本一周は得意でも、世界一周が苦手だと合格する確率は下がってしまいます。

重要なのは、「検定に合格する確率は、各技を合格する確率の掛け算」だということです。

“独立試行”の確率のおはなし

ちょっと話を脱線させて、確率の掛け算についてお話しします。

先ほどの例だと、ふりけんの合格確率、日本一周の合格確率、世界一周の合格確率を掛け合わせると、2級の合格確率となりました。

数学的に表現すると、「ふりけんに合格する」のと「日本一周に合格する」のと「世界一周に合格する」のは、「独立な試行」といいます。

この「独立な試行」について学ぶために、トランプで考えてみましょう。

ジョーカーを除く52枚のカードの中から、1枚カードを引いて、色(スペード、ハート、ダイヤ、クラブ)を確認します。
確認したら、そのカードを元に戻し、良くシャッフルしてからもう一度1枚カードを引いて、色を確認します。
つまり、52枚のカードの中から、1枚カードを引くことを、2回します。

さて、問題です。このとき、
1回目が赤い色(ハートかダイヤ)で、2回目も赤い色(ハートかダイヤ)である確率はどのくらいでしょう?

まずは1回目です。結論から言うと、赤い色を引く確率は2分の1です(2回に1回は赤いカードを引ける)。

52枚中、26枚(ハート:13枚+ダイヤ:13枚)が赤なので、26/52=1/2ですね。

次に2回目です。1回目で引いたカードは元に戻しているので、1回目と同じで、全部で52枚の中から引きます。

結論から言うと、2回目も赤い色を引く確率は2分の1です(2回に1回は赤いカードを引ける)。

52枚中、26枚(ハート:13枚+ダイヤ:13枚)が赤なので、26/52=1/2ですね。

本題に戻りましょう。問題は、1回目が赤い色(ハートかダイヤ)で、2回目が赤い色(ハートかダイヤ)である確率です。

これをどうやって求めるかというと、1回目の確率と、2回目の確率を掛け算してあげれば求めることができます。

それは、1回目と2回目がそれぞれ「独立した試行」だからです。

例えば、「1回目にハートを引いたから、今度はハートじゃない!」とか、「1回目に赤いカードを引いたから、次は黒いカードを引く」ということにはなりません。

たとえ5回連続で赤い色のカードを引いたとしても、6回目は確実に黒が出る、とは限らないです。(そう思っちゃいますが。。)
1度引いたカードを元に戻す、というルールなら、常に赤い色のカードを引ける確率は2分の1で、黒い色のカードを引ける確率も2分の1です。

その前に何色のカードを引いていてもその確率は常に同じです。

ちょっと難しく表現すると、
「前におこなった試行の結果が次の試行に全く影響を与えないような試行」のことを、「独立な試行」と言います。

そして、連続して独立した試行を行うとき、それぞれの試行における確率を掛け算していくと、求めたい確率を求めることができます。

よって、問題の答えは、 $$\frac{1}{2}\times\frac{1}{2}=\frac{1}{4}=25\%$$ となります。

確率や分数の計算をまだ習っていなかったり、苦手だったりする方は、以下の絵を見てみましょう。

2回とも赤になる道が1本、それ以外の道が3本ありますよね?

そして、これらの道のうち、どの道も均等に行けます(なぜなら、赤いカードと黒いカードの枚数が同じだからです)。

なので、4本のうち1本が2回とも赤になる道なので、4回に1回は、2回連続で赤を引けるのが、イメージとしてつかめると思います。

まとめ

今回は、

確率を掛け合わせることで、検定の合格確率を求めることができる

ということを説明しました。次回は各級・段についての合格確率を整理します。ぜひご覧ください。