検定に合格する確率を数学で考える~その3~

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前回の投稿はこちら

今回は、各級・段についての合格確率を整理しようと思います。

前回のおさらい

各技の合格確率をかけ合わせることで、検定の合格確率を求められる
でしたね。

今回は、それぞれの級・段の合格確率について説明します。

各級位・段位の技の数について

各級位・段位の技の数を最初に整理します。

なお、1級以上で登場する「もしかめ」と、参段(三段)以上で登場する「タイム競技」を加えた場合の技の数も合わせて整理します。

難しい級位・段位になるほど、技の数が増えます。

各技の合格率が○○%だった時に、検定に合格できる確率

それでは本題です。各技の合格確率が○○%だった時に、各級位・段位に合格できる確率はどのくらいでしょうか。
この際に、前回の投稿でお話しした、「各技の合格確率を掛け合わせることで、検定の合格確率を求めることができる」という知識を使います。

各技の合格率が70%だった場合

計算方法は、各技の合格率を技の数だけかけ合わせることでしたね。例えば8級~1級は技の数が3つなので、

$$\frac{7}{10}\times\frac{7}{10}\times\frac{7}{10}=\frac{343}{1000}$$

なので、大体34%です。
五段になると、技の数が11なので、7/10を11個掛け合わせます。

$$\frac{7}{10}\times\frac{7}{10}\times\frac{7}{10}\times\frac{7}{10}\times\frac{7}{10}\times\frac{7}{10}\times\frac{7}{10}\times\frac{7}{10}\times\frac{7}{10}\times\frac{7}{10}\times\frac{7}{10}$$

です。

2%くらいになります。

8~1級の合格率は34%なので、およそ3回に1回しか合格できません。

準初段以降になると10%以下なので、10回受けても受からない可能性が高いでしょう。

五段に至っては2%なので、50回に1回くらいしか受かりません

「各技を70%の確率で合格できる」ですから、10回中7回は、規定回数以内にその技をクリアできるということです。

これは”そこそこ”優秀だと思います。しかしながら、10回中7回”しか”クリアできない実力だと、級の段階で合格するのは難しいでしょう。

各技の合格率が80%だった場合

 1級までの合格率は50%を超えましたね!(もしかめを除く)。

各技を5回に4回くらいはクリアできるレベルの方は、級の認定を十分合格できる可能性があります。

しかしながら、準初段は20%以下ですし、初段以降は10%程度、もしかめやタイム競技を入れると10%以下のままですね。

「各技を80%の確率で合格できる」のであれば、級までは十分見込みがありますが、技の数が増える準初段以降では合格するのは難しいといえるでしょう。

80%では不十分、もっと精度を高める必要があるということです。

各技の合格率が90%だった場合

8級~1級の認定については73%なので、およそ4回に3回くらいは合格できるでしょう。

しかしながら、準初段以降の合格率については相変わらず43%以下ですから、90%の確率で各技を合格できても、調子がよくないと合格できないでしょう。

「各技を90%の確率で合格できる」ということは、「どんな技も規定回数に到達できないのは、10回に1回くらい」のレベルです。

普通に考えれば相当優秀だと思います。しかしながら、段を取りたい方はもっと練習しないとダメです。

そして90%の精度をさらに高めて100%に近づけるのは、とても大変です。
従来やってきた練習を見直す必要も出てくるかもしれません。

各技の合格率が95%だった場合

95%まで精度を高めると、全ての級位・段位において合格率が50%を超えます。

特に準初段以降を受ける方は、この精度までレベルを高めることが求められます。

95%ですから、「それぞれの技について、規定回数に到達できないのは20回に1回」です。ほぼ完璧”に近い”です。

しかしながら、完璧”に近い”状態であっても、準初段以降の合格率は6割ほどです。落ちる可能性も全然あります。

逆に言えば、それぞれの技について、ほとんど落ちないという実力があっても、準初段以降では合格できない可能性があるということです。

それは「技の数が多いから」であって、実力がないからではありません。

この精度になったらやるべきことは、さらに精度を100%に近づけることではなく、「普段通りの実力を発揮する」ことかもしれませんね。

各技の合格率が97%、および98%だった場合

ここからは趣味の世界に近いですが、やっと五段の合格率(もしかめ・タイム競技除く)が80%を超えました。
98%というと、50回やって49回はクリアできる計算ですから、相当の鍛錬を積む必要があります。

そこまでしてやっと、五段の合格率を80%にできます。

合格率のまとめ

それでは、今までお見せした表を、折れ線グラフでも表現してみます。
※こちらのグラフは、もしかめ・タイム競技を除いた場合の合格率です。

8級~1級と、準初段の間でグラフのかたむきが大きくなっていることがわかります。

準初段から技の数が3→8つに増えますので、一度にすべての技をクリアすることが難しくなることがグラフから読み取れますね。

まとめ

 今回は、各技の合格率と、各級位・段位の合格率の関係を説明しました。

級に50%以上の確率で合格するためには、各技についておよそ80%の確率で合格できる実力が必要である。
・準初段以降は技の数が増えるので、各技について95%の確率で合格できる実力でも、検定に合格するのは6割程度である。
五段に80%以上の確率で合格するには、各技についておよそ98%の確率で合格できる実力が必要である。

 次回は、「各技の合格率と、技1回あたりの成功率の関係」についてお話しします。